ヒトをヒトたらしめる秘密 道具の使用や言語、意識や思考に代表されるような、ヒトをヒトたらしめる特徴は我々の脳の産物である[1]。 そのようないわゆる高次脳機能を生み出す脳の情報処理原理は未だ完全には解明され…
2018年
N-1人の君へ ニューロエシックスとAIをめぐる書簡
ぼくは自分自身の脳情報をサイバー空間に完全コピーして保存するマインド・アップロードの「事前指示書」にサインしたところだ。昔はリビング・ウィル、つまり「生前の遺言」とも言ってた書類だ。だが、アップロードされて…
「AI」時代を生きていくために
シンギュラリティ?んなもん来ねえよ。 シンギュラリティは来ません。なぜそう言い切れるかというと、私自身が実際に「AI」と呼ばれている技術を利用して数々のシステムを開発してきたからです。 現在の「AI」をプロ…
剣と魔法のファンタジーのこれまでとこれから
冒険の物語のはじまり 求む冒険者。 希望と至難の旅。 時に極寒と灼熱。 夜は暗黒。 絶えざる魔物。 生きて帰れる保証なし。 討伐の暁には名誉と賞賛を得る。 ファンタジーの世界のそんな果てしない…
ものがたりの医学 ~取り出されたもの、透視されたもの~
<連載第2回> 「ハート」が意味するもの ハート、といった時に何を指していると考えるでしょうか。臓器の心臓を英語で言えばハートですし、想いや心意気の意味を含ませる「ハートが大事なんだ」などの言…
エコー・チェンバー ―情報化社会の功罪―
「世界の裏側」との対話 平成も終わろうとする2018年7月6日、オウム真理教の元教祖、麻原彰晃(本名、松本智津夫)ら元幹部7人に対して死刑執行が行われました。1995年に東京の地下鉄で神経ガスが散布された地…
人工知能が奪う職業と「洗練された奴隷制」
「ラッダイト」の亡霊 人工知能は、人間の仕事を奪うだろうか。 19世紀、産業革命にともなう工業機械の普及がはじまったイギリスで、失業をおそれた肉体労働者が工業用機械を打ち壊す「ラッダイト運動」が発生した。 …
今からのAI
帰ってきたAI 1980年代の人工知能(AI)ブームから40年近く経ち、またまたAIブームがやってきた。前回のAIブームは今の若い人、特に学生諸君が生まれる遥か前のことである。 神経回路(ニュ…
ものがたりの医学 ~こころと身体を捉えるための古くて新しい方法について~
<連載第1回> 「証拠の医学」と「ものがたりの医学」 私たちが体調を崩したり病気になったりしたときにお世話になる医療。日本では大別して二系統の医学に基づく医療が保険でカバーされ、「公的な」医療となっています…
AIっていったい誰なのよ
いまのAIは「アホ」なのか? ― たかがAI、されどAI はじめに 学生にAI(人工知能)について聞くと、「AIに仕事を奪われるのではないか」と心配している人が多いことが分かる。仕事を奪われた結果、「簡単な…