1.はじめに 深層学習の躍進から始まる人工知能ブームが始まって久しい。深層学習は、2012年の画像処理の大会でその存在が広く認知され、その後に様々な分野への応用が推進された。有名な例の一つとして、DeepM…
2020年
「日本の宇宙開発 — 未来を見通すためのパースペクティブを過去から得る」
1.はじめに 第二次世界大戦以前から、日本でも軍用噴進弾としてロケット推進の研究は行われていた。が、具体的に宇宙空間を目指した研究開発は、1955年4月の東京大学・生産技術研究所の糸川英夫教授によるペンシル…
UXデザインの変遷と未来
1. はじめに~UXデザインとは UXデザイン(ユーザーエクスペリエンスデザイン)とは、プロダクト・サービスを通じたユーザー体験(UX)をデザインすることである。実務の文脈では、よりよいユーザー体験を実現す…
医療現場における対人援助・感情労働にAI・ロボットは何ができるのか?
1.はじめに 科学技術の発展にともなって、これまで人間のおこなってきた多くの仕事がAI・ロボットに補助または代替されるようになってきた。2013年9月にカール・ベネディクト・フライとマイケル・A・オズボーン…
人工知能と学習データ:社会調査の視点から
1.「人工知能と学習データ」 人工知能は生まれながらにして人工知能であるわけではない。 できたての人工知能は生まれたての乳幼児と同じくなにも知らない。ただ学習することを知っているのである。つまり、乳幼児が親…
新しい「魔法」の時代へ、ようこそ―Learning Crisisとポスト・コロナの情報社会―
1. ポスト・コロナの情報化とは、「魔法の時代」のことである そして、世界は「魔法」に覆われるようになった。 21世紀になってますます深まる「新しい情報社会」は、おそらく、「魔法」の世界そのものなのだ。私た…
新型コロナとシンギュラリティ
1.要約 新型コロナ感染症は大局的、客観的にみれば恐ろしくない。しかし微視的、主観的に見れば恐ろしい。しかしその恐ろしさの原因は、人間が未知のものを恐れる性質のためである。だから病気の解明が進めばだんだんと…
人狼ゲームと社会的知能:ゲームを解く人工知能の新展開
1.人工知能とゲーム:完全情報ゲームから不完全情報ゲームへ 人工知能は知能の再現を目指す分野である。 しかし、知能とは何か、という問いに答えるのは簡単ではない。頭がいい人間、といった場合には、知識があること…
完全自動運転時の交通事故と法的責任
1.問題の所在 自動運転自動車の開発競争が、激しくなっている。 現在はまだ、システムが運転する人間を補助する「レベル2」までしか実用化していないが、緊急時以外はシステムが運転する「レベル3」、高速道路など特…
記号創発ロボティクス:ボトムアップな知能を作る
1.はじめに 記号創発ロボティクスという学問分野がある。2010年代に生まれて日本の研究コミュニティを中心に成長してきた分野だ。 2010年代は人工知能ブームが巻き起こりディープラーニングが人工知能の代名詞…